大人になるにつれて孵化する虫への恐怖心

寝ている側の壁の裏からゴソゴソ聞こえてきて俺はもう怖くて朝だ。

引き続き海外ドラマの話。

メンタリストというと日本ではDaiGoがお馴染みですが、その彼も非常に影響を受けているというドラマ。サイモン・ベイカー演じるパトリック・ジェーンというメンタリストの元インチキ霊媒師が、サクラメントの警察のような組織に協力する体で自らの復讐を果たそうとする筋がメインとしてあって、サブに同僚それぞれのストーリーがあったり色んなクセの強いキャラがライバルとして現れたりする。
このドラマの面白いところはなんといってもジェーンのメンタリストとしての能力の高さだろう。ジェーンならピンチに陥っても初めから予測していて既に何か手を打っているだろうと思わせるキャラクター性。それ故に、子供っぽくて、自分のやりたいようにしかやらないところも、まあ天才ってこういうもんだからしょうがないんだろうなって目で見るしかない。ジェーンの周りの人間も、視聴者も。
内容はシリアスな話が多く、全体を通してダークな感じ。長い復讐のストーリーが終わった後は案の定しっくりこない感じになったけど、最終シーズン前のシーズンの最終話は個人的に一番グッときた。張の安心感も肝。


プライムで見つけて面白そうだなと思ったらクソおもろヤバかったやつ。
刑務所から出所した詐欺師の主人公が、地元に帰ろうにもボス的なやつが怒ってて帰ると殺されそうな雰囲気だったから(そいつを騙そうとして殺されかけたから刑務所に逃げ込んでいた)、とりまムショ仲間の名を騙ってそいつの親戚の家でそいつに成り済まして暮らせっかなーってやってみたら思いの外いけんじゃんってなったけど、まあどの家庭も問題は抱えてるもので、親戚でもない赤の他人だけど一緒にいるうちに情が湧いてきて、実は崩壊気味だった厄介なその嘘家族の為に頑張ってしまうお人好しな詐欺師。んで実弟や詐欺仲間もボスに捕まったから助けたいし、本当の自分の仲間と偽物の自分の仲間を助けて自分もこの先うまくやっていくにはどうしたらええねんめっちゃ大変やんもう頑張ってみるけどさって話。
ずっと一緒にやってきていた仲間や弟たちの問題と、別人を騙って新たに手に入れた嘘の家族の問題とをどちらも切り抜けないといけなくなっていくドツボ嵌まり感がいい。本人はもう追い詰められて胃が痛いだろうけど、視聴者はあまり深刻に感じないというか、何だかポップな気持ちで見ていられる。この詐欺師の主人公が、賢くて純粋で優しくて程よくブサイクなのがこのドラマの色味になっている。
今のところシーズン2まであって、続くらしいよ。


これもプライムで何となく見始めたやつ。
新しい暗号通貨を創った天才我儘女と、勤める銀行でマネーロンダリングを請け負って儲けていた悪い父親を持つ冴えない銀行マンと、治安の悪い街で暮らす妻子持ちのギャングの三人がメインのドラマ。
銀行マンのニックは父親と関わりを持ちたくないが、渋々怪しい金を預かる。その中にはギャングのロニーがニックの父に預けた金が含まれていた。イジーは世の中を変える暗号通貨を創り出してニックの勤める銀行にプレゼンするが、どこの銀行にも受け入れてもらえない。しかしニックは興味を持ち、イジーと個人的にコンタクトを取るようになる。そして父から預かった金を全額、イジーの創った暗号通貨にぶち込む。ニックの父が行方をくらましたために、ロニーがニックの元に現れて、金を返せと脅す。暗号通貨にぶち込んでしまったためすぐに現金化出来ず困るニックとイジー。インテリギャングのロニーも現状を省みて、その暗号通貨に可能性を感じ、俺もそのビジネスの仲間に入れろと脅す。そして噛み合ってるのか噛み合っていないのかわからんが追い詰められたやつらの運命共同体が出来上がる。しかしそこに悪徳FBIやら何やらまた悪いやつらがうじゃうじゃ絡んできて、ずっと大変。ずっと大変なドラマ。
キャラクターがリアルで、不正や罪を重ねる悪人でも家族には優しかったり、ふと善意が目覚めることがあったり、善良な一市民でも安易に人を傷付けたり、善悪の基準って環境とか立場とかによって違うよねって思った。