狂気を宿していかなあかんなー言うてますけども。

銀と金。福本漫画の実写化は度々作られるが、まあ何とも言えないものになってしまうのは何故か。時代だ。えげつない描写が出来ないとびびってしまう自粛ムード漂う現代、人間の業や狂気の上澄みを掬ってさもそれがリアルガチのおっかねえもんとしてしまうから浅くなる。それとニーズのはき違え。遠藤や巽が女になってしまう。さらに色味。オリジナルの時代と現代とじゃそもそもの空気感とか鮮明さに違和感がある。
しかしそれらどれもこれもをそれはそれとしてこれはこれとすればそれなりに普通に面白がることも出来る。

銀と金は1992-96に連載されていた漫画。同じく92にはアカギが始まり、96からはカイジが始まっている。一番面白かった時期。今のカイジや黒沢をほとんど無に近い感情で読み進めているのとは違って、読むと心震わされていた時代の漫画。そんな原作をやるなら要らんことさえしなきゃまあ面白いものが出来るだろうに、そこで要らんことをしてくるのが謎ですよね。

巽が女なのは何かもう仕方ないんだと思う。そういうのには付き合わなきゃいけないんだよ何か。
本筋とは関係のないところで出てくる名前に兵藤とか帝王とか使うのはクソ。無い方がいいセンス。ポーカー編でちょっと出てくる金貸しがウシジマくんなのも、つまらない話を得意気にして自分は面白い人間だと思われていると思っている奴が思い付いたんだろうなってめっちゃ毒吐いてるけども。

いや面白いんですよ。銀さんがリリー・フランキーなのがずっとしっくりこないけど。一気に全話観ましたよ。Vシネの銀と金の方がより一層引き立てられましたけど。時代もあるけどVシネの方がキャスティングも豪華やったね。アカギも柏原崇の一作目が一番。

今回のドラマに関しては、何より主題歌のamazarashiの『ヒーロー』にハマってずっと聴いてる。